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裏側ヒュースケン

2010/06/08 Tuesday

[]電子書籍についてそろそろひとこと言っておくか

スピリッツ編集部twitterの中の人が知り合いということにようやっと気付いた。波に乗り遅れた!

まあ二次会の打ち合わせの時にもちょいちょいしゃべってたけど、まとめて書きたくなったので。

  • 雑誌について
    • 専用ビューワを用意するのは最初に思いつく方法だけど、おそらく今のままでは成功しない。どれもこれも、ビューワ自体の完成度が低すぎる。出版社ごとに規格が乱立する(しかもそれぞれ操作方法が違う)なんて考えたくもない。i文庫HDよりよくできたビューワがないとはどういうことだ?容れ物は統一してほしいな。でも、YAPPAに頼るのもよくない。あの会社ずっと存続するの?
    • 雑誌はコミックにつながる場所(っていう表現だったっけ)という意見には賛同。雑誌は手元に残らなくてもいいのかな?雑誌買っててくれた人はコミック買うときに割引するとか、そういうこともデジタルならできるはず。
  • コミック(とコピー行為)について
    • 自炊を敵視してたけど、自炊はいわば本をコピー機でせっせと複製している状況、要はアナログコピーなのでこれを規制することはできないと思う。紙媒体がこの世に存在する限りなくならないんじゃないかな。これを一歩進めると「私的利用にとどめずネットに流すやつが悪い!厳罰化しる!」ってなるんだけど、ちょっと配布する側のツールが発達しすぎているので限度があるのかなと。逆にネットに流してもそれだけでは使えないようにすればいいわけで、普通にDRMかけてファイルを配布すればいいんじゃないの?開こうとするとパスワードが必要になるように。そういう話ってないのかね?でも、「ダウンロードしたPC/iPadでしか読めない」なんて馬鹿げた制限はなしだぜ。
    • あと、これは絶対なんだけど、自炊より付加価値の高いものを提供すれば、必ずお金を払ってくれる。オフィシャルならではの強みを(いろいろあると思うけど、正規版であることの安心感・テキスト検索・追加コンテンツ等?)。Wiiのバーチャルコンソールは成功しているし、DVDも(あんなに割高なのに)みんな買ってる。まあ、コピーが出来ないことが前提にはなるけど、そこはDRMでガチ固めすればいいんじゃね?
    • それとあわせて、コピー行為をアンダーグラウンドに押し込める運動が必要。(コピーしてるやつもいるみたいだけどよくわかんないし気持ち悪いよねそういうの、という風土)
    • コミックは手元にブツが残る必要がある。変な専用ビューワの中にだけブツがあっても、それをずっと読めるとは限らない。DRMかけた暗号化ファイルなら、少なくとも手元にはファイルが残る。
  • 課金について
    • 課金方法もいろいろある。コンテンツを選んで買わせるアプリ内課金もあれば、月額いくらでダウンロードさせる方法もある。アプリ自体を毎月・毎号分けて、その都度金を払わせる手もある(これだとアイコンがずらずら並ぶので、ものすごい批判されると思うけど)。
    • 月額いくらという課金も考えられる。TIMEとかクーリエジャポンとかはその月の号を落とすのにアプリ内課金じゃなかったかな。とにかく俺は漫画雑誌を買わない(単行本をたまに買うくらい)なので参考程度だけど、雑誌一冊丸ごとで月額500円と言われてもピンとこない。1冊100円と言われたらたまーに買うかもしれないが、大半は読まない。でも、小学館の全漫画雑誌からよりどり5タイトル(5冊じゃなくて5つの漫画だけでいい)つめあわせで月500円なら余裕で購読する。
    • 週刊ダイヤモンドがzipファイルの販売してなかったっけ。けっこう攻めるなと思った。
  • iPadおよびアップルについて
    • エロは無理にiPadでやらなくてもいいのでは?App Storeは格式を保ちたい総合百貨店であって、大人の店は別に用意したほうがいいんじゃないかと思う。百貨店に無理やり食い込んでも、けむたがられるだけ。それを「けむたがるんじゃねえ」とか言ってアップルのせいにはできないんじゃないか?ちょっと裏路地に店を構えれば繁盛するんだから。
    • とはいえ、働きマンはエロじゃねえよなあ。App Storeで扱ってもらいたいがために表現を制限しなきゃいけないとしたら、それはマジで憂うべき状況だな。
    • もう1年くらいしたらWindows互換の(要はPC然とした)タブレットが山ほど出てくるから、そっちも市場として考えておいたほうがいいと思う。アップルはR18を許可しない。そして早くしないと、自炊がスタンダードになっちゃう。もうアニメ・漫画オタクは自炊セットをそろえ始めてる様子だよ。
  • 総合して
    • えらそうな物言いになるけど、「漫画をどう読んでほしいか」が大事じゃないかと思う。誰に読んで欲しいか。誰に買って欲しいか。どこで読んで欲しいか。雑誌はすべて読んでほしいのか、狙ったコンテンツだけ売ればよいのか。データを渡すのか、クラウドに保つのか。たとえば、スピリッツを日常的に買っている人に買わせたいというのと、俺にスピリッツをiPadで読ませたいというのとでは、アプローチが全然違うはず。
    • 前に話したときも思ったけど、エミュレータの議論と似ている。詳しくはここでも書けないけど。でも、エミュレータは配布がものすごい簡単なはずなのに、ちゃんとバーチャルコンソールで課金に成功している。オフィシャルならではの安心感(改造とかされていない)と、Wiiで完全に動作する(動作することが保証されている)ことに金を払っている。あとは知名度ね。パソコンでファミコンが動くことを知っている人は少ないけど、Wiiならみんな知ってる。みんなでワイワイできるように考えられてる。
    • 紙と比べて不便なところがあってはだめ。ページめくりのエフェクトとかそういう次元ではなくて、金を払ったのに手元にファイルが残らないとか、そういうことがあってはだめ。ライセンスを購入させるのであれば、何度でもダウンロード可能にするとか。
    • まあ、消費者サイド(しかも漫画をほとんど読まないサイド)で勝手に書きまくったけど、出版社サイドで絶対に折れられないところがあるはず。そのへんも勘案して、こう、うまいこと。
    • たとえば、小学館の雑誌・漫画すべて対象で「1冊100円!」とかいって、DRMつきのzipファイルを落とさせてくれたら(DRMはアカウントに紐付けて管理、ビューワはi文庫HD互換のものを自社で用意)、一夜で勝負は決すると思う。

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