2006/05/11 Thursday
■ [game]PS3とWii
asahi.comにインタビューが。
◆すぐ世の中が追いつく――久多良木健・SCE社長
――PS3は低価格機で税込み6万円強と、やや高めですね。
「PS3でユーザーはこれまでにない体験ができる。初代PSを3万9800円で出したとき、ゲーム機の相場は1万2000円程度だったが、見事にヒットした。昼食の値段だって、社員食堂でカロリーを満たすだけの食事は数百円。ちょっとした仲間と外食したらその10倍を出しても高いとは言わない。初代からPS2、PS3とどんどん革新的なことをしているし、革新がなければ僕らはやりがいがない」
――高性能を追求しすぎとの見方もあります。
「いつも性能過剰と言われるが、実際はすぐに世の中が追いつく。初代のときは3D(立体)ゲームなんてなかった。PS2のときだってDVDは全然普及していなかった。PSとソフトが世の中を牽引(けんいん)してきた」
――春に予定していた発売時期は遅れました。
「欧米は、11月末~クリスマスが大きな商戦だからあまり影響はない。ソフトメーカーは、これで開発する時間ができたとほっとしている。発売前に、ソフトの数や仕様がこれほどそろったことは過去になく、そういう意味では極めて順調だ」
――ソニーグループ全体の社運を握る商品ともみられています。
「ソニーグループどころか全産業界の命運を握っている。コンピューター産業と家電産業、ゲーム産業はほとんど融合すると思う。PS3はそうした時代に家庭内で多様な機能を満たすコンピューターシステムとして、大きな可能性がある」
――「原点回帰」を掲げるライバル、任天堂の戦略をどうみますか。
「任天堂はきちんと狙いを定め、ソフトも自社で提案し、ゲーム市場をものすごく広げてくれている。これまで10年間共存してきた。マイクロソフトは独占的な発言をするから、共存路線をとれるかわからないが、みんなで市場を盛り上げられればいいと思う」
◆「ワイワイ楽しむ」に戻る――岩田聡・任天堂社長
――携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」のヒットで「Wii」への注目も高まっています。
「『次世代』という言葉はWiiには当てはまらない。より大きな処理能力を求める従来の開発戦略の延長線上にあるゲーム機ではないからだ」
――愛好者はどう受け止めるのでしょうか。
「コアなゲームファンも、実は高機能をひたすら追求する姿勢には飽き飽きしている。従来のファンも、ゲーム経験がない人も一緒に遊んで楽しめるゲーム機をめざす」
――高精細画像や大容量などを追求するSCEやマイクロソフトとはかなり戦略が違いますね。
「私も技術者出身なので、優れた技術を否定するつもりは全くない。どこでバランスをとるかの価値観の違いだ。最後の審判はお客さんに仰ぐ」
――DSを持っている人も買うのでしょうか。
「携帯型のDSは、やる人以外はつまらないという欠点がある。かつてのテレビゲームには、周りでみている人たちも一緒にワイワイ楽しむ文化があった。Wiiではその原点に返りたい。テニスやゴルフなどシンプルなゲームを、新開発のコントローラーを振り回しながらみんなで楽しんでもらいたい」
――今年10~12月としたWiiの詳しい発売日や、売り出し価格は。
「年末商戦に出すことは決めている。価格決定はお客さんに受け入れられるものかどうかを最大の判断基準とする。『任天堂がこんな高価格で出すのか』と言われるようではだめだと思う」
――DSは海外でも受け入れられますか。
「4月に米国でDS向けの『BRAIN AGE』(日本では『脳を鍛える大人のDSトレーニング』)を発売し、3週間で12万本を売った。出だしは日本よりよい。ゲーム経験のない層から好反応を得ている。米国はリアルなゲームだけを好むと言われてきたが、必ずしもそうではない」
試験終わったらWii買います。その頃までこの話は冷凍保存!